特定技能人材の紹介手数料|相場や初期費用の内訳を解説

特定技能人材の紹介手数料の相場とは|初期費用や月額費用について解説

特定技能人材の採用予算を組む際、相場観がつかめずに稟議が止まってしまうケースは少なくありません。原因は、費用項目が多岐にわたることや、業者ごとに料金体系が異なる点にあるとされています。

このような事態を防ぐためには、人材紹介にかかる費用の項目を洗い出し、稟議に上げる前に費用感をつかむことが大切です。

こちらでは、特定技能人材の紹介にかかる初期費用の内訳、毎月発生する登録支援機関への業務委託の費用、他資格と比較した場合の採用コストの差について解説します。

紹介手数料と初期費用の内訳について

コストを示す虫眼鏡と計算機

特定技能人材を採用する場合、基本的には最初の段階でまとまった費用が発生します。こちらでは、紹介手数料と初期費用の内訳を整理し、予算設計の相場観をお伝えします。

人材紹介手数料の相場

特定技能の人材紹介手数料は、1名あたり10~30万円の価格帯が多く、出入国在留管理庁の調査でもこの水準が中心となっています。日本人採用や技人国の採用では想定年収の30~35%という料率型が主流ですが、特定技能では「1名あたり◯万円」という定額方式が採用されるケースが目立ちます。一方で、運送や訪問介護など採用難易度の高い職種では、相場が30~60万円程度まで上振れする傾向があるため、業種ごとの市場感を踏まえた予算設定が求められます。

在留資格申請にかかる初期費用

特定技能ビザの申請費用は、新規申請(国外人材)で15~20万円程度、資格変更(国内人材)で10~15万円が一般的な相場です。申請業務は書類準備が膨大で制度理解も求められるため、行政書士や登録支援機関に委託する企業が多いとされています。なお、収入印紙代として変更・更新時に6,000円、オンライン申請なら手数料は5,500円となります。認定申請自体は無料です。

送り出し機関への支払いと渡航費の準備

海外から特定技能人材を呼び寄せる場合、送り出し機関への手数料が発生します。相場は20~60万円と国によって幅があります。フィリピン、カンボジア、ベトナムなど二国間協定により送り出し機関の利用が義務化されている国からの採用では、この費用は避けられません。

なお、来日時の渡航費(航空券代等)を企業が負担することは法令上の義務ではなく、本人負担とすることも認められています。ただし、企業が任意で負担(補助)する場合は、5~10万円程度が目安となります。住居の初期費用や家具家電の準備費用も見込んでおくと、社内稟議の精度が高まるでしょう。

健康診断や事前ガイダンス等の付随費用

採用プロセスの初期には、健康診断費用や、住民票・納税証明書などの書類取得費用が発生します。加えて、登録支援機関による事前ガイダンスや生活オリエンテーションの実施費用も、初期費用として計上が必要です。これらの付随費用は単価こそ大きくないものの、複数項目が積み上がるため、初期費用の総額として把握しておくとよいでしょう。

登録支援機関に支払う月額の平均値

ノートパソコンと分析用グラフのイメージ

特定技能1号の人材を雇用する企業には、義務的支援の実施が課されます。多くの企業がこの業務を登録支援機関へ委託しているとされています。よって、登録支援機関の業務委託で支払うことになる月額も把握しておくことが大切です。

登録支援機関への支援委託費用の相場

登録支援機関への支援委託費用は、特定技能外国人1名あたり月額2~4万円が平均的な水準です。金額には事前ガイダンスの実施、生活オリエンテーション、定期面談、相談・苦情対応といった義務的支援の運用コストが含まれます。価格帯の幅は支援内容の手厚さや訪問頻度、夜間対応の有無によって変動するため、サービス内容との整合性を確認しましょう。

月額費用に含まれる支援内容の確認ポイント

委託費用に含まれる支援項目は、登録支援機関ごとに細かい範囲が異なります。基本的には公的手続きへの同行や日本語学習機会の提供、職業生活上の相談などが含まれます。一方で、医療機関への通訳同行や緊急対応をオプション扱いとする機関もあるため、月額費用の内訳と追加料金の発生条件は契約前に明確にしておきましょう。

支援委託費用の考え方

ランニングコストは、特定技能1号の在留期間最長5年にわたって発生し続けるため、月額の差が長期トータルでは大きな金額差を生みます。たとえば、月1万円の差があれば、5年間で60万円の違いとなり、紹介手数料以上の影響を及ぼす場合もあるでしょう。そのため、登録支援機関を選ぶ際は紹介料の安さだけで判断せず、紹介料に月額支援料と想定在留月数を乗じた合計額に初期費用を加えて、総額で判断することをおすすめします。

自社支援に切り替える場合のランニングコスト削減

過去2年以内に中長期在留者の受け入れ実績があるなど、一定の条件を満たす企業は、登録支援機関への委託をせず自社で義務的支援を実施することも認められています。この場合は委託費が不要になるため、ランニングコストの削減が見込めます。なお、特定技能2号へ移行した人材については義務的支援自体が不要となり、月額の支援委託費用は発生しません。

他の在留資格と比較した場合の採用コストの差

特定技能外国人の採用を検討する場合、技能実習や技人国といった他の在留資格との比較も大切です。それぞれの制度には固有のコスト構造があるため、自社の採用方針に合った選択をすることで、予算の最適化につながるでしょう。

特定技能と技能実習のコスト比較

技能実習では、監理団体への監理費として月額3~5万円、送り出し機関への送出管理費として月額5,000円~1万5,000円が発生します。これに対し特定技能の登録支援機関への委託費は月額2~4万円で、送り出し機関への継続費用は発生しません。年間で18~36万円程度の差が生まれることもあり、長期雇用を前提とすると、トータルコストは特定技能外国人の方が抑えられるケースが見られます。

特定技能と技人国の採用コストの違い

技人国の採用では、人材紹介料が想定年収の30%程度の料率型が主流で、年収400万円なら120万円ほどの紹介手数料となる計算です。特定技能の定額型紹介料(10~30万円)と比較すると、初期コストは技人国の方が高くなる傾向にあります。一方で、技人国はホワイトカラー職を対象とし、登録支援機関への月額委託費が発生しないため、職種特性と長期コストの両面から選択する必要があります。

採用ルートによる費用の差

同じ特定技能でも、海外採用、国内採用、技能実習からの移行など、採用ルートによって費用は変わります。海外採用は送り出し機関への手数料が発生し、企業が渡航費を任意で負担するケースではさらに初期費用が加わります。一方、国内採用であれば渡航費や住居準備費が省ける分、費用を抑えやすいでしょう。また、自社で雇用している技能実習2号修了者を特定技能1号へ移行するルートでは、紹介手数料が原則として発生しないため、コストを抑えられるでしょう。

相場を踏まえた採用戦略

在留資格ごとに採用コストを比較する際は、初期費用とランニングコストを5年スパンで合算したシミュレーションが有効です。特定技能の場合、初期費用が30~80万円程度、月額委託費が2~4万円という条件で5年間試算すると、トータルで150~300万円ほどとなる試算が一般的です。コストの絶対額だけでなく、業務範囲の柔軟性などの非金銭的な要素も含めて、自社にとっての投資対効果を見極めましょう。

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