外国人採用にかかる費用|日本人採用とのコストの違いも解説
外国人採用にかかる費用の内訳|日本人採用と比較した場合の違いも解説
外国人採用を社内で稟議にかける際、最初の壁となるのが費用の問題です。外国人採用では、紹介手数料や在留資格申請、登録支援機関への業務委託料など、必要となる費用は多岐にわたります。また、採用ルートや在留資格の種類によって金額も変動するため、概算の算出が難しいとされています。日本人の採用と直接的な比較ができない点も、稟議が通りにくい理由の1つです。
こちらでは、外国人採用にかかるトータルコスト、日本人採用と比較した場合の違い、コストを抑えて優秀な人材を確保する方法について解説します。
社内稟議をスムーズに通したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
外国人採用にかかるトータルコストとは
外国人採用の費用は、入社時に発生する初期費用と、雇用継続中に毎月発生するランニングコストの2つに大別されます。在留資格や採用ルート、海外採用か国内採用かによって金額が大きく変わるため、項目ごとに相場を押さえておくことが大切です。
初期費用に含まれる主要な項目
初期費用は、人材紹介会社への成功報酬、在留資格の申請費用、住居の準備費などの項目で構成されます。なかでも人材紹介会社への手数料は1人あたり50万円前後が相場とされ、初期費用の大部分を占めるケースが一般的です。さらに、海外採用の場合は住居の敷金・礼金などが加わります。また、来日時の渡航費(航空券代等)は本人負担とするケースもありますが、企業が任意で負担する場合は初期費用に加わるため、結果として国内採用と比較して1.5~2倍程度の金額になることもあります。
月額で発生するランニングコスト
特定技能外国人を受け入れる場合、登録支援機関への支援委託費が毎月発生します。委託費の相場は1人あたり月額2.5~4万円程度で、年間に換算すると30~48万円ほどの金額になります。加えて、在留期間更新時の行政書士報酬や、社宅を企業が借り上げている場合の管理コストなども継続的に発生するため、初期費用だけで予算を組まないよう注意しましょう。
在留資格別に異なる費用構造
「特定技能」「技能実習」「技術・人文知識・国際業務(技人国)」など、選択する在留資格によって費用構造は異なります。たとえば特定技能では支援義務に関する委託費が発生する一方、技人国では原則として支援義務がないため、月額の固定費が抑えられる傾向にあります。一方で、技能実習は監理団体への監理費が継続的に発生するため、長期的なコストは特定技能よりも高くなる場合があります。
見落とされやすい間接コスト
外部に支払う費用以外にも、社内で発生する間接コストを見落とさないようにしましょう。具体的には、採用担当者の人件費、面接調整にかかる工数、社内マニュアルの多言語化、受け入れ後の教育や生活サポートにかかる時間などが該当します。これらは請求書に計上されないものの、はじめて外国人採用に取り組む企業ほど学習コストがかさみやすいため、予算を組む段階で工数の見積もりもしておきましょう。
日本人採用と比較した場合のコストの違い
外国人採用は日本人の採用よりも高額になると思われがちですが、実際には条件によって異なるため、必ずしも費用がかさむわけではありません。比較する際は、費用項目の内訳と、長期定着まで含めたトータルコストの両面で確認しましょう。
日本人の中途採用との比較
日本人の中途採用における1人あたりの平均コストは、おおよそ80~100万円程度といわれています。一方、外国人を国内在住者から正社員で採用する場合の総額は、1人あたり50~150万円程度が目安となります。外国人採用の方が幅が広いものの、平均値には大きな差はありません。
外国人採用ならではの追加項目
外国人採用には、日本人採用にはない費用項目が加わります。代表的なものとして、在留資格の申請を行政書士に依頼する際の報酬、住居の準備費などが挙げられます。なお、海外採用時の渡航費については企業負担が義務ではないものの、企業側が福利厚生として任意で負担する場合には、さらなる追加項目となります。採用ルートや国によって金額の幅が大きいため、見積もりの段階で複数のパターンを比較しましょう。
ミスマッチの回避による長期的なコスト差
採用コストは、入社後すぐの離職で無駄になる場合があります。そのため、日本人採用であっても外国人採用であっても、選考時点でのミスマッチを防ぐことが、結果的にコスト削減につながるといわれています。とくに外国人採用では、日本語レベル、宗教や文化への配慮、生活面の支援体制などのハードルがあるため、採用前の確認や自社での環境整備に注力しましょう。
支援義務に関わる継続コストの差
外国人採用、とくに特定技能で受け入れる場合は、生活相談や日本語学習支援、定期面談といった支援義務が法令で課せられます。支援を登録支援機関に委託する場合、月額費用が継続コストとして上乗せされるため、外国人採用の方が日本人採用より高くなるともいわれています。ただし、外国人材は中長期にわたって勤務するケースも多く、早期離職による再採用コストを抑えられる側面もあるため、比較する際は単純な数値で判断しないよう注意しましょう。
コストを抑えて質の高い人材を確保する方法
費用を抑えながら自社に合った人材を確保するには、採用ルートの工夫、公的支援制度の活用、社内での体制整備という3つの観点からアプローチする方法があります。それぞれの手法を組み合わせることで、コスト削減と人材の質の両立がしやすくなります。
成果報酬型の人材紹介を活用する
求人広告のように掲載期間に応じて費用が発生する方式と異なり、成果報酬型の人材紹介は入社が決まった段階ではじめて費用が発生する仕組みです。そのため、応募が集まらないリスクや、採用に至らないまま広告費がかさんでしまうリスクを抑えやすい点が特徴です。とくに採用人数が少ない中小企業にとっては、初期費用の発生時期を調整しやすいというメリットがあります。
助成金・補助金の活用
外国人採用にあたっては、「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」など、活用できる公的制度がいくつか存在します。最新の制度では、「雇用労務責任者の選任」や「就業規則等の多言語化」といった必須要件を満たして職場定着のための就労環境整備に取り組むことで、最大80万円が支給されます。要件を満たせば採用後の負担を軽減できるでしょう。
申請には事前計画の提出や対象期間内での取り組みが求められるため、採用活動を始める前に最新の公募要領を確認しておくとスムーズに進められるはずです。
国内在住者の採用と支援の自社化
すでに日本国内に在住している外国人を採用すると、渡航費や住居の初期準備費を削減できます。さらに、特定技能における支援業務を登録支援機関に委託せず自社で実施すると、月額の支援委託費そのものを節約できるでしょう。ただし、自社支援には支援責任者・支援担当者の配置や、外国人が十分に理解できる言語での支援体制など、一定の要件を満たす必要があるため、自社で対応可能かを慎重に判断しましょう。
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