外国人採用に活用できる補助金・助成金|申請条件や手続きを解説
外国人採用に活用できる補助金・助成金|種類と申請条件・手続きについて解説
外国人材の採用を検討する際、多くの中小企業が直面するのが採用コストの問題ではないでしょうか。求人広告費や紹介手数料に加え、就労環境の整備にも費用がかかるため、予算面で採用を躊躇するケースも少なくありません。
しかし、国や自治体の助成金・補助金を適切に活用すれば、採用にかかる経済的な負担を軽減できる可能性があります。
こちらでは、外国人採用で活用できる補助金・助成金の種類、申請対象となる企業の要件、実際の申請手続きの流れを解説します。
外国人雇用で活用できる助成金・補助金とは
外国人雇用を進めるうえで、国や自治体が提供する公的支援制度の活用は採用コスト削減の有力な手段です。こちらでは、代表的な制度の概要と特徴について解説します。
助成金と補助金の基本的な違い
外国人採用で利用できる公的資金には大きく分けて助成金と補助金の2種類があり、両者は管轄機関や受給のしやすさに違いがあります。助成金は厚生労働省が管轄し、雇用の安定や人材育成を目的とする一方、補助金は経済産業省や自治体が管轄し、公益性のある事業の促進を目的としています。さらに、助成金は要件を満たせば原則として申請により支給されますが、補助金は予算枠のなかで審査を経て採択される競争型である点も押さえておきたいポイントです。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人雇用に特化した代表的な助成金として位置づけられるのが、人材確保等支援助成金の外国人労働者就労環境整備助成コースです。外国人労働者の雇用では、日本の労働法制や雇用慣行、言語の違いなどからトラブルが生じる場合があるため、外国人特有の事情に配慮した就労環境を整備した事業主に対して支給されます。最新の要件では、「雇用労務責任者の選任」や「就業規則等の多言語化」といった必須措置に加え、苦情・相談体制の整備などを導入した事業主に対して最大80万円(※諸要件による)が支給される仕組みとなっており、外国人の職場定着を進めたい企業に適しています。
キャリアアップ助成金
非正規雇用から正社員雇用への転換を支援するキャリアアップ助成金も、外国人材の雇用で広く活用されている制度です。雇用保険の被保険者であれば国籍を問わず対象となり、有期契約から正社員への転換などに対して助成金が支給されます。また、生産性要件を満たすと支給額が加算される仕組みも用意されているため、人材の長期定着を目指す企業にとって有効な支援策といえます。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、職務に関連した専門知識や技能の習得を目的とする訓練を実施した事業主に支給される助成金です。訓練期間中の経費の一部や賃金の一部が助成対象となるため、日本語教育や業務スキル研修にかかる負担を軽減できます。なお、訓練内容や対象者に応じて複数のコースが用意されているため、自社の人材育成計画に合った活用方法を検討するとよいでしょう。
補助金申請の対象となる企業要件について
助成金や補助金を活用するためには、いくつかの基本要件を満たす必要があります。こちらでは、申請の前提となる代表的な企業要件を確認しましょう。
雇用保険の適用事業所であること
外国人雇用で活用できる助成金の多くは、厚生労働省が管轄する雇用保険を財源とするため、雇用保険の適用事業所であることが基本条件です。雇用保険に未加入の事業所は申請対象外となるケースがほとんどであるため、申請を検討する前に自社の加入状況を確認することが重要です。また、賃金台帳や出勤簿などの労務関連書類が適切に整備されていることも求められます。
労働関係法令の遵守
労働基準法や最低賃金法など、労働関係法令を守って事業を運営していることも申請の前提条件となります。過去に重大な労働関係法令違反があった場合や、労働保険料を滞納している場合は、原則として支給対象から除外されてしまいます。よって、コンプライアンス体制を整えたうえで申請に臨むことが大切です。
計画書の提出と認定
人材確保等支援助成金などでは、事前に就労環境整備計画などの計画書を作成し、管轄労働局の認定を受ける必要があります。計画には、外国人労働者に対してどのような措置を講じるのか、具体的な内容を明記しなければなりません。また、計画期間終了後の離職率に関する要件など、実施後の成果についても条件が設けられているため注意しましょう。
外国人労働者の在留資格の確認
外国人を雇用する事業主にとって、在留資格の確認は必須事項です。有効期限が切れた在留カードのまま雇用を続けると不法就労助長罪に問われる可能性があります。採用時にはパスポートや在留カードを確認し、就労可能な在留資格を保有しているかを確認しましょう。
助成金・補助金の申請方法や一般的な流れ
助成金や補助金の申請は、複数のステップを経て進める必要があります。こちらでは、多くの制度に共通する基本的な申請の流れを紹介します。
計画書の作成と提出
申請の第一歩は、対象となる助成金の要件に合わせた計画書の作成です。たとえば、人材確保等支援助成金では、就労環境整備のためにどのような措置を導入するのかを具体的に記載した計画書を、管轄の労働局へ提出します。計画書の内容が不十分だと認定されない場合もあるため、社会保険労務士など専門家の助言を受けながら作成することが望ましいです。
計画にもとづいた取り組みの実施
計画書の認定を受けた後は、記載した内容に沿って取り組みを実施します。就業規則の多言語化、相談窓口の設置、職業訓練の実施など、計画ごとに必要な施策を着実に進めることが求められます。なお、実施期間中は領収書や実施記録などを必ず保管し、後日の支給申請に備える必要があります。
支給申請と審査
実施期間が終了したら、所定の様式に従って支給申請書を作成し、管轄機関へ提出します。申請後は審査がおこなわれ、要件を満たしていると認められた場合は助成金が支給される流れです。ただし、申請から実際の入金までには数か月から1年以上かかることもあるため、余裕を持った資金繰りを意識しましょう。
申請時に押さえておきたい注意点
助成金や補助金の申請にあたっては、いくつかの注意点を踏まえる必要があります。まず意識しておきたいのが、制度ごとに申請期限や提出書類の様式が細かく定められている点です。わずかな不備で不支給となるケースも少なくないため注意しましょう。また、計画期間中に対象となる外国人労働者が離職した場合、支給額が減額されたり、申請自体が取り消されることもあるため、定着支援にも継続的に取り組む姿勢が求められます。
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