特定技能を持つインドネシア人材の採用|宗教や習慣への対応事例も紹介
特定技能を持つインドネシア人材の採用|宗教・習慣への具体的な対応事例も紹介
特定技能制度でインドネシア人の採用を検討する企業が増えています。ただ、定着への不安から最終決定までは踏み切れない企業も多いようです。
特定技能外国人の採用は、即戦力を確保しやすいとされる一方で、宗教や食習慣への配慮が必要となるケースも多いため、受け入れ前の準備が重要です。
こちらでは、インドネシア人の一般的な仕事観、インドネシアにおける特定技能の現状、宗教や習慣に関する職場での対応事例を紹介します。
インドネシア人材の採用を進めたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
インドネシア人の一般的な仕事観
特定技能制度でインドネシア人材を採用するうえで、まず押さえておきたいのが国民性や仕事に対する向き合い方です。文化的背景を理解しておくと、入社後の関係構築がスムーズに進みやすくなります。
穏やかで協調性を重んじる気質
インドネシア人は穏やかで人当たりが柔らかく、協調性を重んじる気質を持つ人材が多いとされています。職場でも周囲との調和を大切にし、上司や年長者を立てる文化が根づいているため、日本の組織風土との親和性は高いといえるでしょう。一方で、人前で叱責されることを恥と感じる傾向があるため、指導する際の伝え方には一定の配慮が求められます。
勤勉で長期就労を志向する傾向
インドネシア人は勤勉であり、長期的な就労を前提に来日する人材が多いとされています。技能実習を経て特定技能へ移行するケースも一般的で、現場での経験を積みながらキャリアを築く意欲を持つ求職者が目立ちます。安定した戦力として活用しやすく、定着率が比較的高いともいわれているため、中長期の計画も立てやすくなるでしょう。
家族や地域との結びつきが強い文化
インドネシア社会は家族や地域コミュニティとの結びつきが非常に強く、母国への送金を目的に働く人も少なくありません。働くモチベーションが家族の生活向上に直結する人が多いため、収入や雇用の安定が定着に影響しやすいとされています。日本での生活基盤を整えるサポートを丁寧におこなうことで、長く活躍してもらいやすくなるでしょう。
親日的な姿勢と日本語学習への意欲
日系企業の進出やアニメ・食文化の浸透により、インドネシアでは日本に親近感を持つ若者が多い傾向にあります。日本語学習への関心も高く、日本語能力試験N4レベル以上の水準を満たす求職者も多数存在します。来日前から一定の語学基盤を備えている人が多いという特徴があります。
インドネシアにおける特定技能の送出状況とは
採用判断の材料として、インドネシアからの特定技能人材の送出規模や制度的な枠組みを把握しておきましょう。
国籍別で第2位の在留規模
出入国在留管理庁の公表データによると、特定技能の在留資格で日本に滞在するインドネシア人は、2025年6月末時点で約69,000人となっており、国内では2番目に多いとされています。介護や製造業、農業、飲食料品製造などの分野で多く活躍しており、なかでも介護分野は多くのインドネシア人が従事する領域となっています。今後も人口規模と若年層の比率を背景に、来日者数の増加が見込まれます。
政府主導の送り出し体制と協力覚書
インドネシア政府は自国民の海外就労を国策として推進しています。日本との間では特定技能に関する協力覚書(MOC)が結ばれており、2024年6月の更新によって両国間の特定技能人材の交流促進基盤がさらに強化されました。送り出し体制の透明性が比較的高く、政府関与のもとで運用されるためトラブルが起こりにくい点は、企業側にとって安心材料といえるでしょう。
海外採用ルートの仕組みと現地試験
海外採用では、現地で特定技能評価試験と日本語試験に合格した求職者が対象となります。インドネシアの特定技能試験はジャカルタをはじめとする複数都市で実施されており、他国と比べて開催回数・会場数が多い傾向にあります。さらに、技能実習2号を良好に修了したインドネシア人は試験の一部が免除されるため、安定した採用ルートとして機能している状況です。
IPKOL登録など現地特有の手続き
インドネシア人の海外就労にあたっては、現地政府が管理する労働市場情報システム「IPKOL」への登録が推奨されています。この登録は受け入れ機関と求職者の双方で手続きを進める必要があり、雇用契約書の電子データ登録を求められる場合もあります。インドネシアは、ベトナムやフィリピンの場合と異なり、特定技能人材は現地の送り出し機関を経由しない仕組みが採用されており、手数料負担を抑えられる点が特徴です。コスト面のメリットがあることも、判断材料の1つとなります。
宗教や習慣への対応やマナーについて
インドネシア人材の定着を考えるうえで、宗教や生活習慣への配慮は欠かせない要素です。具体的な対応事例を知ることで、受け入れ準備の精度を高められるでしょう。
礼拝スペースの確保と時間配慮
インドネシアはイスラム教徒が人口の大多数を占める国であるため、信仰への配慮が職場づくりの鍵となります。休憩室の一角に礼拝用のスペースを設けたり、業務に支障の出ない範囲で短時間の中断を認める企業も増えています。すべての社員が同じ習慣を持つわけではないため、本人の希望をヒアリングしながら柔軟に対応しましょう。
ハラール対応とラマダン期間の配慮
食事面では豚肉やアルコールを避けるハラールの考え方が広く浸透しているため、社員食堂のメニュー選択や歓送迎会の店舗選びには注意が必要です。代替メニューの用意や、本人が持参する弁当を温められる環境を整えましょう。また、ラマダン(断食月)期間中は日中の飲食を控える人が多いため、体調面に配慮した業務調整や休憩時間の柔軟化が検討課題となります。
コミュニケーションとフィードバックの工夫
インドネシアの文化では、人前で強く叱る行為が恥と受け取られやすいため、フィードバックは個別の場で穏やかに伝える方法が向いています。具体的な行動レベルまで落とし込んだ指示や、なぜその手順が必要かを丁寧に説明する姿勢が、信頼関係の構築につながるでしょう。定期的な1on1で困りごとを引き出す仕組みを整えると、早期離職の予防に役立つはずです。
生活面のサポートとコミュニティ形成
住居の手配や行政手続きの同行、生活インフラの使い方の説明など、来日直後の生活面のサポートも重要です。同じ国籍の先輩社員と交流できる機会を意識的に設けたり、地域のインドネシア人コミュニティを紹介することも、定着につながるでしょう。
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