特定技能外国人をドライバーとして採用|受け入れのメリットも解説

特定技能外国人をドライバーとして採用するには|技能試験についても解説

2024年問題による時間外労働規制の影響で、運送業界の人手不足はこれまで以上に深刻化しています。

現在、ドライバー不足を解消するために、特定技能の対象分野に「自動車運送業」が追加されています。この制度を活用すれば、トラック・タクシー・バスのドライバーとして、即戦力になる外国人を採用できるかもしれません。

こちらでは、自動車運送業における特定技能外国人の受け入れ、ドライバーとして採用するために必要な技能試験、外国人をドライバーとして採用するメリットについて解説します。

自動車運送業における特定技能の追加について

晴れた道を走る白い軽トラック

自動車運送業界の人手不足を背景として、2024年3月に特定技能の対象分野へ「自動車運送業」が追加されました。こちらでは、制度追加の背景や受け入れ可能な業種、企業に求められる要件について、最新情報を確認しましょう。

2024年問題と深刻化するドライバー不足の背景

時間外労働の上限規制が2024年4月から運送業界にも本格適用されたことで、輸送力の低下が懸念される、いわゆる2024年問題が顕在化しています。さらに団塊世代の引退も重なり、業界全体で若手ドライバーの不足が進んでいる状況です。政府の推計によると、2029年度にはバス・タクシー・トラックのドライバーが合計28万8,000人程度不足するとされています。

特定技能に追加された経緯と受け入れ見込数

業界団体の要望を受けて、政府は人材確保が困難な分野として自動車運送業を新設しました。2024年3月の閣議決定を経て、自動車運送業界の人手不足解消に向けた制度として運用が始まっています。受け入れ見込数は5年間で最大2万4,500人とされており、業界の安定的な人材供給につながると期待されています。

トラック・タクシー・バスの3区分と従事できる業務

自動車運送業分野は、トラック・タクシー・バスの3区分に分かれています。トラック区分では運行前後の点検や貨物の積み込み、タクシーやバスの区分では運行前後の点検や乗客対応などの業務が中心です。なお、いずれも運行管理者の指導・監督のもとで業務をおこなうことが前提であるため、独立した運行判断ではなく現場での実務遂行能力が求められます。

受け入れ企業に求められる主な要件

特定技能外国人を受け入れる企業は、道路旅客運送業または道路貨物運送業に該当する事業者である必要があります。加えて、運転者職場環境良好度認証制度の認証取得や、トラック運送業の場合は安全性優良事業所の認定取得が条件です。自動車運送業分野特定技能協議会への加入も必要となるため、採用前に要件を整理することが大切です。

ドライバー職に求められる技能試験とは

青空の下運転する若い男性ドライバー

特定技能制度でドライバーを採用するためには、採用する外国人本人が複数の試験要件を満たしている必要があります。こちらでは、技能評価試験、日本語能力、運転免許の3つについて解説します。

自動車運送業分野特定技能1号評価試験の概要

技能評価試験は一般財団法人日本海事協会が実施しており、トラック・タクシー・バスの3区分に分かれています。試験時間は学科試験と実技試験を合わせて80分で構成され、CBT方式または出張方式で受験する仕組みです。求められる技能水準は、実務経験2年程度の者が事前の試験勉強なしで受験した場合に7割程度が合格できるレベルとされており、現場で安全に業務を遂行できる実践的な能力が問われます。

区分ごとに異なる日本語能力の要件

日本語の要件は区分ごとに違いがあります。トラック区分はJLPTN4相当以上、タクシー・バス区分は乗客対応が必要となるため、より高いJLPTN3相当以上が求められます。なお、技能実習2号を良好に修了した方については、区分を問わず日本語試験が免除されるケースもあるため、候補者の経歴に応じて過去の在留資格や修了状況を確認しましょう。

必要な運転免許と外免切替・取得スケジュール

運転免許については、トラック区分は第一種運転免許、タクシー・バス区分は第二種運転免許が必要です。海外の免許を持つ場合は外免切替の手続きを利用できますが、日本国内の教習所に通って取得するルートを選ぶ場合は数か月単位の期間と費用がかかります。免許取得や新任運転者研修のために、就労前の準備期間として在留資格「特定活動」を活用する選択肢も検討しましょう。

新任運転者研修と就労開始までの流れ

タクシー・バス区分では、就労開始前に新任運転者研修の修了が必要となります。これは日本の交通ルールやサービスマナーを習得してもらうための研修であるため、業務開始までのスケジュールに組み込んでおく必要があります。一連の流れは、技能試験合格、日本語試験合格、運転免許取得、新任運転者研修修了、在留資格申請、入社という順番で進むのが一般的です。

運送業界での特定技能外国人受け入れのメリット

特定技能制度でのドライバー採用には、人手不足を補う以外にも複数のメリットがあります。こちらでは即戦力性、安定供給、職場活性化といった側面から、外国人受け入れのメリットを確認しましょう。

即戦力としての人材確保と長期就労の可能性

特定技能制度は、一定の専門性と技能を持つ即戦力人材を雇用できる制度です。技能試験と運転免許の取得を経た人材を採用できるため、入社後の戦力化が比較的スムーズに進む傾向があります。特定技能1号は通算5年の在留が可能であり、計画的な人員配置を組みやすい点も実務上のメリットといえるでしょう。

若手人材の確保と職場の活性化

国内のドライバーは高齢化が進む一方で、特定技能で来日する人材は若年層が中心です。意欲の高い若手が加わることで、職場全体の活気が増し、業務の引き継ぎもしやすくなる傾向にあります。多様な背景を持つ人材が集まることで、新しい視点や働き方が生まれる効果も期待できます。

地方・中小事業者でも採用可能な制度設計

国内人材の採用が難しい地方や中小規模の運送会社にとっても、特定技能制度は有力な選択肢となります。要件を満たす事業者であれば全国どこでも受け入れが可能であり、エリアを問わずドライバーを確保できる点はメリットです。地域の物流や公共交通を支える担い手として、外国人ドライバーの需要は今後も高まっていくと予想されます。

継続的な採用ルートの確保による人員計画の安定化

特定技能制度は、国内の労働市場だけに頼らない採用ルートを確保できる点も見逃せないメリットです。国内の有効求人倍率が高止まりするなかで、海外の送出機関と連携した採用チャネルを持つことは、中長期的な人員計画を安定させるうえで大切です。年単位で計画的に人材を補充できる体制を整えることで、急な離職や繁忙期の人手不足にも柔軟に対応しやすくなります。

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